暇ならみんなで創作活動しようぜ (11スレ目)
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 22:21:21 ID:BkwJvW4n0
ここは暇ならみんなで創作活動するスレです
そこの見てるYOUやっちゃいなYO!m9(^Д^)プギャー

まとめ
http://muu.in/farness/index.htm

設定
http://www2.atwiki.jp/vipnovel2/

うpろだ
http://matari.s35.xrea.com/cgi/up/upboard.cgi


http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1118567362/

避難
http://jbbs.livedoor.jp/computer/22157/

2 名前:数字に操られるなんて馬鹿馬鹿しい人生だ ◆YJlyqMsk66 :2005/06/13(月) 22:21:47 ID:u73/WqRz0
ですよね^^

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 22:25:34 ID:BkwJvW4n0
【設定わかり辛い】
創作品はちょっとぐらい世界観外れてても気にしない。どんどん書く、描くべし。
みんなも基本的には創作品の世界観には捕われない。

世界観に合う素敵な設定はどんどん創作品からでも拾ってくる。


わかんない事はとりあえず書き込めyom9(^Д^)

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 22:31:12 ID:BkwJvW4n0
簡易版て事でテンプレ他はまとめ待ち
早速創作してくるぜ!!

5 名前:ギア, ◆GXSp37vHuM :2005/06/13(月) 22:34:10 ID:8Wj0LuRJO
おまいらガンガレwwwwwwww
俺のパソまだ直らねorz

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 22:37:28 ID:l1VGD6JQ0


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 22:54:14 ID:l1VGD6JQ0
さて、よくわからんままに立ったわけだが、
一応参考までに、どれだけの人が何を創っているのか調べないか?

俺は文章書いてる。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 22:56:35 ID:hsRJ7Rt30
俺一週間の有給休暇中の文章書き

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:02:16 ID:SJpoRWX00
僕は原案ちゃん(´∀`)
今日はVIP落とさないようにするよ!

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:14:35 ID:BrINIJMN0
今にも落ちそうです!

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:25:09 ID:02tKk9Lo0
文章書いてる。
ただ、思いついたのがなっがすぎる長編だったため、短編案を思案中。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:41:30 ID:AGaaSsUe0
>>7
一応長編を書いてる。
週末しか書けないのが悩みだが、のんびりいくことにする。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:55:49 ID:GHcloaq60
色々と創ってる人、結構多いね。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:56:59 ID:Lmj3jE3k0
何このスレ

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/13(月) 23:59:54 ID:SJpoRWX00
http://www.vipper.org/vip29714.jpg
オートドールりこたんカンバック

16 名前:(・ω・)大尉 ◆2nOUodv7fI :2005/06/14(火) 00:03:53 ID:X3iHicam0
>>14 祭りの跡地

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 00:22:30 ID:IyN7hHiO0
祭りの跡にも放火する
それが創作クォリティ(・`∀・)

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 00:23:41 ID:ehKm2/Zi0
>>14
週末作家達が何かをゆっくり作っている
大体は小説
他は色々
締め切りなんて存在しないから好きなだけ時間をかけて活動汁、という感じ

俺長編ガンガルつもりだが、全然書き上がらん

>>15
そのクオリティがこのスレを救う m9(・ω・)

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 00:31:41 ID:L2BY7b0g0
俺も来ましたよ

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 00:38:32 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip29744.jpg
頭脳○ がさつ◎

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 00:44:43 ID:up+seDTS0
>>20
おk、満ち足りたwwwwwww
萌え

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 00:49:45 ID:kK0VKzcv0
>>20
ほんわかしてていいなw


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:07:38 ID:4iAzLMtX0
>>20
かわいいw

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:10:03 ID:L2BY7b0g0
>>20
いいな、こういう次の展開とかが浮かぶ絵ww

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:18:29 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip29765.jpg
昨日の女たらしリベンジ
うーん

>>20
なんかティナのイメージ成層圏かけ離れ中ですよwwwwwww
作者氏スマン

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:21:45 ID:L2BY7b0g0
>>25
ただいまマッハで保存中

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:27:09 ID:CMuRxzpm0
このスレ初めて見たんだが、みんな小説しかやってないのか?
こんなに設定とか作ってるならゲームでも作ろうぜよ。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:34:04 ID:L2BY7b0g0
>>27
作りたいな。いや、マジで。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 01:53:05 ID:L2BY7b0g0
ちと小説書いてくるね

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 02:08:53 ID:IyN7hHiO0
>>27
やりたいねぇ
http://www.vipper.org/vip29822.jpg
スリーマンセルで

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 02:10:16 ID:Zu+Iug9wO
保守。

スレたってから短篇二つしか投下できてない……。
もうちょっと頑張るのでスレはまだ残っていてくだちい。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 02:18:38 ID:CMuRxzpm0
人少ないっぽい? まあでも各分野、一人二人ぐらいはやれそうな人いるだろ。たぶん。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 02:20:19 ID:6Feu5WRz0
ゲームはツクールでもいいんかな

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 02:42:32 ID:L2BY7b0g0
>>32
地道に足場固めが必要だよね。夏。

>>33
いいでしょ。おそらく

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 03:05:10 ID:L2BY7b0g0
>>30
クォティいい味出してるwww

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 03:05:38 ID:kftoanl/0
>>1
スレ見てたらワロスwwwwとかキモスwwwwwですむけど
リアルでされるとやばいやつって思われるんじゃね?www
俺でよかったら話しきくおwwwwww
なんでそんなに寂しそうなんだよwwww
baki@lovelys.jp

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 03:17:39 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip29870.jpg
バオウ大陸民族衣

>>35
ヤツは世が世ならギース様クラスだからな(・∀`・)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 03:25:06 ID:L2BY7b0g0
おkwwww
バオウ大陸民イイヨwwコレwwww

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 03:51:36 ID:L2BY7b0g0
>>37
ギース様ツヨスwwww

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 04:02:07 ID:fNjo43fI0
おいらのまとめサイトも載せて欲しかった orz

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 04:04:08 ID:L2BY7b0g0
>>40
頼む、アドレス乗っけてくれwww

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 04:07:51 ID:fNjo43fI0
ttp://matari.s35.xrea.com/FARNESS/log/FARNESS.htm

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 04:19:46 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip29891.jpg
ノルダニア民族装
前一回描いたっけな

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 04:39:14 ID:IyN7hHiO0
特色の無い大陸はどうしてくれよう

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 04:40:50 ID:fNjo43fI0
ヒント:開拓

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 05:01:50 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip29903.jpg
ミディリア民族装
民族〜なんたらは数多あるうちの一つって事でお目こぼし願いたい

>>45
okkkkkkwww

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 05:29:52 ID:fNjo43fI0
IyN7hHiO0ガガレ
学校行きながら応援しとくぜb

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 05:46:45 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip29912.jpg
カウムース民族衣
水辺の生き物思いつかなかった(・∀`・)

>>47
ってら(・∀´・)

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 05:49:23 ID:/Vbdgy7T0
おはようござまーす

>>絵師さん
うはwww赤い人、雰囲気ありすぎて本文のキャラが絵に負けてるwwwサンクスwww



ってことで空気も読めずに駄作の続きを投下します
昨日VIP落ちてて出せなかったんで、二日分・・・

50 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 05:53:09 ID:/Vbdgy7T0
過去分
ttp://www.vipper.org/vip29914.txt

−2−

無数の星が見渡す限りに輝く黒い天幕に、湾曲した月の刀が掛けられた深夜、
山林の奥から荒い呼吸音が聞こえた。
元々、人が来るような場所ではない。
昼間であっても、猟師ですら足を運ぶことのない深く険しい山である。
かつてはクェンアと呼ばれる神獣の棲み処として、霊山とも称された場所であるが、
神代が終わりを告げた今はその面影もない。
魑魅魍魎が跋扈する、悪意と危険に満ちた山──シュラ山。

そこに一つの影が動いていた。
短く息を吐き出す音、枯れ木を踏み割る音、木々の枝葉を揺らす音。
瞬く間に、起伏の激しい道なき道を駆け抜ける影──

影が崖の上まで駆け登ると、月明かりに一人の男が照らし出された。
男は一気に息を吐き出して、天を仰いで深呼吸をする。
全身から汗が飛び散り、月明かりに反射した。
男は長身で、命を吹き込まれた彫像のように均整の取れた体躯を上下に揺らしている。
男はきつく目を瞑り、呼吸を整えた。
男の赤髪が風に棚引く。

ゆっくりと男の瞼が開かれると、南海の清らかさを思わせる碧玉が現れた。
瞳は深い知性と意思の光を力強く輝かせる。
男はじっと月をにらみつけた。

真夜中に人知れず山を駆け抜けていた男は、十八歳となったレインであった。

51 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 05:54:27 ID:/Vbdgy7T0
レインは自分を取り残して先へと進んで行く同胞たちに少しでも追いつくため、
夜を通して肉体を苛め抜いていた。
険しい山中を疾走し、足腰と敏捷さを鍛える。
才能のない人間には、そうする他何もない。
レインはただそれを愚直に繰り返すだけだった。

レインは武芸に自信がないわけではない。
お互い素手であれば、おそらくレインはノヴァラの若者の中でも遅れを取る事はないだろう。
だが、それは戦いにおいて、何の意味ももたらさない。
同じ条件下で力や技を争う"競技"とは違う。
戦いとは、勝つ事なのだ。
そしてノヴァラの民は剣を持って戦い、勝利することに意義を見出すのである。

どんなに力を持ち、敏捷性に優れ、一瞬の判断力に長けていても、
レインは剣を持つと、最も重要な感覚が分からなくなってしまう。

──間合いが短すぎるのだ。

そう思わずにはいられなかった。

52 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 05:55:20 ID:/Vbdgy7T0
レインは崖の下を見下ろした。
そこからはノヴァラの村を眺める事が出来る。
星明りと月明かりに大地が白く照らされて、家々が小さく見える。
「…………」
レインの胸に去来したものは何であろうか。

ふと、闇が風に揺れた。
少し肌寒い空気が辺りを包んでいる。
静寂は風の音を運び、風はレインの汗ばんだ体を乾かしていく。
遍く者が眠る世界で、レインの存在は浮き立っていた。

レインは自分の足元をみた。
その視線の先には、とても長い木の棒が転がっていた。
レインは音もなく棒を右手で拾い上げると、自らの脇に突立てる。
レインの身長を超える長い棒。
長年使い込まれた感のあるそれは、レインが木の枝から削りだした槍であった。

53 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 05:56:32 ID:/Vbdgy7T0
レインは木の槍を軽く握り締めた。
瞳を閉じ、心臓三拍の間、レインは神経を研ぎ澄ませる。
それから更に心臓が十の鼓動を刻むと、レインは掴み慣れた木の感触を確かめた。
そして開眼一閃──
鋭い音を立て、槍は風を裂き、虚空を激しく貫いた。
──否。

「ぐゎぁぁぁぁ」
肉が貫かれる鈍い音と共に絶叫が響いた。
繰り出された槍の先には、蝙蝠の翼に、山羊の頭、猿の胴を持った、
闇に姿を隠す妖魔が貫かれていたのである。
「ぐが……うぁぁ」
妖魔は断末魔を残して、この世を去った。

──この間合いであれば
「……私も皆の役に立てるのに」

だが、ノヴァラの民は槍使いなど認めない。
誇り高き剣の民ゆえ、である。
レインの眉は曇った。
だが、それもすぐに晴れる。
「才能がなければ、努力をするしかない」
レインは妖魔を葬ると、再び山の中を走り出していった。
迷う事はない。
──私はノヴァラに生まれたのだ。私はノヴァラに生きるのだ──

54 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 05:58:04 ID:/Vbdgy7T0
−3−

目が覚めるような青い空、暖かな春の陽射しの下、ノヴァラの村は活気に溢れていた。
一ヶ月ほど前から周辺に現れた男爵位を持つ魔物が、手下を連れて近隣を脅かしていたのだが、
数日前にノヴァラの村から二日の距離にある深い森の奥にその館が発見されたため、
近々、大規模な討伐隊が編成されることが決まったからである。

広場には多くの人が集まっていたが、皆落ち着かない様子であった。
男たちは腰に下げた剣を掴んで沸き立つ血を押さえ、
女たちは早速、男たちの品定めを兼ねた噂話に興じている。
子供たちは討伐隊ごっこで誰が男爵役をするのかでもめているようだ。

その喧騒の中心には、立て札が掲げられている。

──此度の討伐隊には、健康なものであれば誰にでも参加する資格がある。
志のあるものは進んで志願せよ。
忌まわしき魔物共に、純然たるノヴァラの血脈の力を見せつけるのだ──

皆、この檄文に鼓舞をされ、色めき立っていたのである。

レインもその例外ではない。
レインもこの輪の中に、自ら加わろうとしていた。
自分も人々の役に立ちたい。
日頃からそう願っていたレインは、遂に自分の真価を試す機会が訪れたのだ、と信じたのである。

55 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 05:59:10 ID:/Vbdgy7T0
レインは意気揚々と兵舎を訪れた。
討伐隊に志願して、皆に認めてもらうためである。

「……私にも手伝わせてください」
言葉数は少ないが、レインの言葉は力強く、決意が込められている。
そしてその目には熱意が込められていた。
しかし、周りの態度は冷ややかだった。
「お前が来たら足手まといだ」
「散歩ではないのだぞ。子供にすら負けるような愚図を連れて行って何になる」
「勘違いをするな。此度の討伐はノヴァラの血を引く者がゆくのだよ」
異口同音にレインを嘲笑う。

このとき、レインは初めて歯を食いしばった。
今までどんなに嘲笑われようとも、決して悔しがる事はなかったのに、この時ばかりは違っていた。
だが、ここで声を張り上げても事態は変わらない。
──自分に力がないから悪いのだ。
レインは今まで自分の積み重ねてきた信頼と、信用の薄さを痛感すると、
全身を戦慄かせながら兵舎を立ち去っていった。

56 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 06:00:01 ID:/Vbdgy7T0
兵舎の前では、鎧姿のセリカがノヴァラの青年剣士と会話をしていた。
結い上げられた亜麻色の髪、少し日に焼けた肌、しなやかでバネのある四肢──
セリカは村の剣術師範の一人娘として、可憐なだけであった少女から、
立派なノヴァラの剣士へと成長していた。

だが、セリカの鎧姿は他の剣士たちとは僅かに異なっている。
多くのノヴァラの剣士が着る鎧は凝った意匠もなく、ただ質素なだけであるが、
セリカの身に纏う鎧の胸にはノヴァラの正統を表す紋章が描かれていて、品格の違いを窺わせる。
そして羽織ったマントは、誰にでも身に付けることが許されているものではなかった。

青年剣士は年少であるはずのセリカとの会話に、些か緊張をしているようである。
セリカの傾げた首からみせるうなじを見て、青年剣士は顔を赤らめた。
セリカの一挙手一投足に、青年剣士はまともな思考を奪われてしまったのであろうか。
セリカに声を掛けられる度に、ぎこちない動作でせわしなく首肯をしていた。

そうしてセリカと青年剣士が話をしているところへ、
憮然とした表情をしたレインが兵舎の中から姿を現した。
レインは二人に気がついていないのであろうか。
俯いたまま何も言わず、二人の脇を通り過ぎようとした。

57 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 06:00:59 ID:/Vbdgy7T0
セリカはレインに気がつくと、青年剣士に一言預けて会話を切り上げて、レインを追いかけた。
そしてレインとは合わない歩幅を、歩調で合わせて、心配そうにレインの背中に声を掛ける。
「……レイン、大丈夫?」
 セリカはレインが討伐隊に参加するために兵舎へ訪れていた事を知っている。
何も言わずに通り過ぎていく理由は、表情を見れば明らかである。
それでも放っておく事など出来なかった。
「ねぇ、レイン……」
「…………」
 レインはセリカの声に、立ち止まる事も振り返る事もなかった。
セリカは追いすがってレインの手を掴もうとする。
しかし、レインはその手よりも早く兵舎前の道を通り抜けて行ってしまった。

──合わせる顔がない。
今回の討伐隊編成に当たって、セリカは村の守備隊の長を務めることが決まっていたのである。
レインはそれを喜んだ。
だからこそ、自分も討伐隊に加わって、セリカに追いつこうと考えていた。
少しでも肩を並べられるように。
討伐隊に加わった暁には、セリカやグランたちに胸を張ろうと思っていたのだ。
自分もノヴァラの一員になれたのだと。
しかし、その思惑は脆くも打ち砕かれてしまったのだ。

──もっと力があれば……
レインは奥歯を噛み締める。
──力が欲しい。
そう念じるだけだった。

58 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 06:01:42 ID:/Vbdgy7T0
レインの手を掴もうとして空振りした手を、胸の前で軽く握るセリカの前から、レインの背中が遠ざかる。
セリカもレインの心中が分からないわけではない。
近頃はレインが夜な夜などこかへ出かけているのを知っている。
洗濯物が減ってきている理由は、毎朝の泥酔したように眠っている姿をみれば想像がつく。
恐らく、夜の間に汗で汚れてしまった衣類を、自分で洗っているのだろう。

セリカは最近、レインが時折見せる自信を覗かせた表情に、視線を奪われていることがある。
レインは日を追うごとに逞しさを増し、精悍さを備えてきているように感じている。
──それはきっと、毎日の姿をみている人でしか気がつけない、些細な違いなのかも知れないけど──

この村では、たったひとつの欠点がレインのすべてを否定してしまう。
誰も本当の姿をみようとはしない。
伝統と誇りという名の因習によって。

セリカは掛ける言葉を失ったまま、ただ小さくなってゆくレインの背中を見送っていた。

59 名前:『器』 ◆rnVQLHXf7Q :2005/06/14(火) 06:03:18 ID:/Vbdgy7T0
今日はここまで。
クオリティ低くてスマンポ
バイト行ってくるノシ

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 06:13:36 ID:IyN7hHiO0
ナイスクォリティ(・∀´・)
また今晩にでも赤い人再稿するぜ

てわけで本日はこんなとこで
暫く保守しときます

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 06:43:48 ID:IyN7hHiO0
ボッシュタンはエロカワイイ

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 06:45:36 ID:oCQ8+jTT0
>>59
お疲れ様。
凄く丁寧に、レインのもどかしい気持ちが書かれているように
思いました。続きワクテカしながら待ってます。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 07:33:18 ID:IyN7hHiO0
ホッシュリ(・∀・)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 07:49:55 ID:mjkPGLLMO
ホシュ

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 08:23:05 ID:IyN7hHiO0
ラス保守
あとは頼んだ(・∀・´)

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 09:02:40 ID:8FKWiymXO
デラ保守

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 10:37:34 ID:8FKWiymXO
ものっそい保守

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 10:59:34 ID:L/OfPFxtO
ほしゅ

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 11:16:59 ID:xls/iBV00
保守

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 11:35:30 ID:L/OfPFxtO
ほしゅる

携帯からだからどこまで下がってるかわかんない…

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 11:53:23 ID:L/OfPFxtO
ほしほし

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 12:35:53 ID:+220FDYU0
もはようです

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 12:37:35 ID:+220FDYU0
>>42
SUGEEEEEEEE!!!!

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 13:39:30 ID:L/OfPFxtO
ほし

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 14:14:00 ID:mjkPGLLMO
保守、そして提案。
マナの設定なんだけど、何かに使用してから、マナに戻るときに、使ったマナはしばらく使用不可能。
みたいな感じにしないか?いまのままだと、永久機関作り放題な気がするんだが。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 15:07:45 ID:mjkPGLLMO
保守

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 15:43:43 ID:DCJM3Erx0
>>75
作品つくる人が好きな原理を使えばいいんじゃないかな。
いくつか異なる説や原理があってもいいと思う。

永久機関が出てくる話も面白いと思うし。
できない世界があっても面白いと思うし。

原理が先にでてきたのではなくて
存在とできることが先に決まってしまったから
後付で原理ひとつに固定しまうと何かと不便だと思われ。

強烈な作品がでてくれば、皆同調するかもよ。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 16:11:40 ID:DCJM3Erx0
というと、あまりに突き放しているようなので・・・

マナに戻る、という現象が、マナからの変化より
かなり緩やかで固定的であればいいんじゃないかな?

つまり、総量測定すると微量に増えているけど
全部戻すのには時間(とそれに比例したエネルギー?)がかかる

したがって、マナの万能性と増幅性を加味しても、理論的には可能になるが
現実には、条件と環境の影響もあって、永久機関はつくれない

って感じの方が、しばらく使用できないとするよりかは、自然かと思った。

マナ銃なんかに使うものが、還元しやすいのは
マナ自体を還元力に回しているからとかね。

変化したマナを元のマナに還元するのに、なんら抵抗がないとすると
あらかじめ物質化したマナを戻すだけで、莫大なエネルギーが得られる。
これだと、永久機関の心配よりも、「ドラゴンボール」的な展開になりかねない
っていう心配があるかも?

って考えた。長くてゴメソ。まぁ、保守がてらってことで。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 16:18:16 ID:DCJM3Erx0
って長々とかいたけれど、結局は同じことをいっただけかも・・・シュンマセン

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 17:10:08 ID:mjkPGLLMO
あー、なるほど。
マナに還元するのにも、使用したマナの量に比例するだけの時間と、それ相応のエネルギーが必要ってことにすれば、そうそう永久機関なんて作れんよな。
色々と参考になった。ありがとう。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 17:52:05 ID:mjkPGLLMO
保守

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 18:26:56 ID:fNjo43fI0
石油(原油)みたいなもんか?

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 18:45:42 ID:IyN7hHiO0
一旦使うと蒸発して雲になって雨になって水になるまで使えません、って感じかと思った>使用不能

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 19:10:40 ID:7hiYuZhG0
保守

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 19:11:12 ID:G4C14bVh0
>>83
なるほど

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 19:28:57 ID:7hiYuZhG0
hoshu

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 19:33:26 ID:DCJM3Erx0
>>83
なるほど、それもありだね

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 20:06:10 ID:L/OfPFxtO
ほしほし

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 20:27:15 ID:OROEk9uf0


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 20:45:19 ID:PdeypfNf0


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 21:07:28 ID:OROEk9uf0


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 21:09:22 ID:up+seDTS0


93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 21:10:31 ID:IyN7hHiO0
それはどうなの(・∀`・)

今晩はサッポにも負けないインファイトするよ!!

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 21:39:55 ID:OROEk9uf0
さてと、やるか。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 21:58:49 ID:OROEk9uf0


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:13:26 ID:OROEk9uf0
おーい、誰も居ないのかー?

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:16:42 ID:4iAzLMtX0


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:35:25 ID:DCJM3Erx0
さっき避難所覗いたんですが・・・>>77-78で不快に思った人がいたらごめんなさい

|  |
|  |_∧
|_|;`)  ゴメンヨ
|  |o.
| ̄|'
""""""""""

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:35:38 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip30449.jpg
デコ仲間の敗戦に機嫌の悪い里見・・・君の顔絵どっかに残ってない?
記憶タヨリナス

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:37:57 ID:IyN7hHiO0
作成中は画面見れないのが辛い

>>98
⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:45:04 ID:4iAzLMtX0
ほす

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 22:47:10 ID:DCJM3Erx0
>>99の里見君みたいに、ものっそいイカツイ顔にさせてたら

⊂二二二(;^ω^)二⊃  ブーン

葉巻とかワイングラスも似合いそうですね、この方

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 23:06:50 ID:4oe+/nSN0
ホス

深夜に一話挙げれるよう頑張る

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 23:21:54 ID:OROEk9uf0
>>103
頑張れ。
楽しみにしてる。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 23:43:34 ID:4iAzLMtX0
>>103
まってる。

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 23:43:35 ID:OROEk9uf0
保守

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 23:50:05 ID:IyN7hHiO0
http://www.vipper.org/vip30528.jpg
器の人ヒントplz
髪型がかすってる!程度でいいので頼む

今日はいつにもましてクォーリティの低下を免れない暑さkkkkkkkkkkkkkkk

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/14(火) 23:58:30 ID:oCQ8+jTT0
暑いけどGJ
綺麗な絵だな〜

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 00:13:22 ID:6dMkS05v0
ホス
>>107
テラウマスwwwっうぇwww

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 00:28:41 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30575.jpg
本日予定と予想

イキロoooooooooo

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 00:48:09 ID:6dMkS05v0
>>110
うはwww確かに暑いwwwwwっうぇww

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:19:56 ID:WYF8Ct9x0
保守

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:23:23 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30646.jpg
砂漠民衣装 鳥はこっちか

暑さで筆進みまくりんぐ^^^^^^^^^^^^^^^ねーよwwwwwwwwww

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:29:46 ID:NaIB4Avw0
>>113
カワイイwww

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:40:57 ID:6dMkS05v0
投下します
無理に新キャラ投入した上に継ぎ接ぎだらけで読みにくいので先に謝っとく。
スマンカッタ

116 名前: ◆FaRnessEZY :2005/06/15(水) 01:42:13 ID:6dMkS05v0
前回までのあらすじ
行商であるウォンとエイナーはカウムース南端にある学術都市ミカエルへ向かう旅の道中。
オスパーナ砂漠を抜け海を渡り、カウムース北端に着いたはいいが北カウムースは国家戦争の真っ只中にあった。
無断脱国を計画、準備している最中に何故かウォンが大量の警備隊に追われていた。
何とか警備隊を撒く事には成功したのだが…?

「人助け・・・ですか?」
「はい、人助けです」
「俄かには信じられません」
「私だって気まぐれを起こすことはありますよ」
「僕の知ってるウォンさんは危険を冒してまで他人を助けるような人ではありません」
「これは心外です!私の慈愛に満ちた心はかのアガレス様にも劣りませんよ?」
「『慈愛』ではなくて『自愛』でしょう?」
「おやおや、手厳しいですねぇ」
「とにかく!キャンプ用品を購入しに行ったはずのウォンさんが警備隊に喧嘩を売ってその隙に他人を逃がす様な真似をするなんて信じられません!!」
「ずいぶん状況説明くさい台詞ですねぇ、エイナー君?」
「僕の言い回しに文句たれてる暇があったらもっとまともな言い訳を考えたらどうです!?」
「仕方ないじゃないですか、…何せ、あのエファ王女だったんですから」

第四話 港町遁走曲 中篇


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:43:08 ID:6dMkS05v0
 エファ・ヘイトリック・ボルジェス・デ・ツンデーレ・エ・グインガルド。
カウムース西方に位置するグインガルド王国の第二王女。
盗賊団を単身ひねりつぶした、グリズリーを素手で両断した等の噂が絶えない、あのエファ王女だ。
その王女がいまエイナーの目の前にいる。
真紅の瞳は彼女が由緒正しきミュンメイの血筋であることを証明してはいるが
こうしてみると十二、三の普通の女の子にしか見えない。
身長はエイナーと同じぐらい。
おかっぱ頭もキュートだし、時折見える鋭い犬歯も・・・まぁ許容範囲内だ。
ただ、彼女の背中に君臨する身長の二倍はあろうかという斧槍、いわゆるハルバードは想定の範囲外、むしろ空想の範囲外。
「ウォンといったな、何度も言うが我に忠誠を誓うのじゃ」
 とある宿屋の一室、片膝をついて頭をたれるウォンを見下ろして王女は言う。
「あいにく、私が忠誠を捧げているのはコレでして」
王女を見上げ、右手の親指と人差し指で円を作るウォン。マイペースな男だ。
「ほう、面白い冗談じゃ」
ゴウという音と共にハルバードがウォンの首筋で止まる。
「確かにあの酒場で殺傷沙汰を起こしたならば官憲に捕まっておったに違い無いが、今は別じゃぞ?」
にんまりと笑みを浮かべる王女エファ。手が微かに赤く光っている、どうやらマナを使って武器を振り回しているようだ。
「ウォ、ウォンさん!!」
あわてるエイナー、王女にまつわる噂が本当ならばウォンの命はまさに風前の灯火である。

118 名前: ◆FaRnessEZY :2005/06/15(水) 01:43:49 ID:6dMkS05v0
「大丈夫ですよエイナー君、エファ王女は私を殺しません」
穏やかに制するウォン。中指で眼鏡をクィっと上げる仕草は中々様になっている、首に寄り添う斧の刃が無ければの話だが。
「ほう、何故そう思う?」
ハルバードでウォンの顔を撫ぜながら興味深そうな眼差しをむけるエファ。
「大きく三つの根拠があります。第一にここで私の首をはねてもエイナー君に苦戦する可能性が高い。
 いかに王女といえどヒュマンを瞬殺できるかどうかは疑問です。長引けば騒動を知られるは必然ですしねぇ」
全く取り乱すことなく淡々と述べるウォン。
「第二にこの宿の床の薄さ。私の首を刎ねた場合、その出血がすぐ階下の天井を赤く染めるでしょう」
エファは無言で耳を傾けている、にんまりとした笑みを絶やさず。
「第三に…まぁこれが一番の理由なんですが、王女には私を殺すメリットが無い。
 忠誠を誓わない人物を殺す理由は敵対する勢力に下ることを恐れるが故ですが、
 私はどの勢力にも所属する可能性が低い…なにしろ行商ですからねぇ」
「…見事じゃ。ますます欲しくなったわ」
後ろを向きながら素早く背中にハルバードをしまうエファ。エイナーはその小さな背中に確かな王者の威厳を感じ取った。
「ひとつ…お聞かせ願いますか?何故彼方の様な高貴な方が交戦国へ参られたのですか?」
おずおずとエイナーが質問する。
「エイナーといったか…最もな疑問じゃな。何故だと思う?」
「要人の暗殺…ですか?」
「近いが、違う。正解はザラト山の地図の奪取じゃ」
「地図…?」

119 名前: ◆FaRnessEZY :2005/06/15(水) 01:45:07 ID:6dMkS05v0
首をひねるエイナー。精巧な地図は確かに戦局を左右するが、わざわざ敵の懐まで行く必要は無い。
自国で作ればいいのだ。何よりグインガルド王国の技術はここ、ザラト共和国を上回る。
「ザラト山…金脈ですね。いかに忠臣といえど黄金の誘惑に耐えられない可能性があると…そういうわけですか」
ぼそりとつぶやくウォン、夕日を浴びて眼鏡がきらりと光る。
「流石はわたしの見込んだ男、いかにも金脈の地図じゃ。
 酒場で内偵から地図を受け取ったはいいが運悪く警備隊と居合わせてしまった。
 暴れるわけにもいかず見つかるのは時間の問題だったが、そこを助けてくれたのがウォンというわけじゃ」
エイナーには王女の頬が赤く見えたのは夕日のせいなのか、そうじゃないのかはわからなかった。
ただ、ウォンが買出しにいったはずのウォンが酒場にいたことに関しては後でしっかり問い質す必要がありそうだ。
「もう一度言う。ウォン、我に忠誠を尽くせ」
「お断りします」
頑なに拒否するウォン、常に柔軟な対応をする彼にしては珍しい態度…不自然だとさえエイナーは感じた。
しばらく黙って窓の夕日を見つめていたエファはその瞳を更に紅く染め、ウォンにこう言った。
「では……盟友となれ」
「「…は?」」
あっけにとられるウォンとエイナー。エファはかまうことなく言葉を続ける。
「持ちつ持たれつの関係じゃ。わたしはウォンの力を借り、ウォンの欲するところはわたしが力になろう」
「いいんですか?大国グインガルドの王女がそんな安請け合いをして」
「かまわん、ここでお前を失うのはあまりにも惜しいのじゃ。これを断るのであればもう何も言わん」
下唇をキュッと噛みしめ真紅の瞳に静かな炎を灯しウォンを見つめるエファ。
「…いいでしょう、ただし、私の探し物に協力していただきますよ?」
「も、もちろんじゃ!して、その探し物とは?」
パァと顔を明るくして小さな右手を出すエファ。
その右手をしっかりと握り、笑顔に答えるように細い目を更に細め、ウォンはその呪われた剣の名を口にした。
「魔剣リーズ」
二人の旅が終わり、三人の旅が始まる。

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:45:32 ID:JvH/WF2n0


http://www.nrg-milk.com/pict.htm

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:48:05 ID:6dMkS05v0
ここまで

話が全然進まない、行商らしくない、何をしたいかわからないの三拍子だが
絵師の絵でハァハァしとく

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 01:54:18 ID:NaIB4Avw0
頑なに拒否るウォンがイイ!!

そして作者さんGJ!
続きもがんばれ!w

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 02:00:59 ID:cdN9rC+M0
グリズリーを素手で両断したwwwwwwwwツヨスwwwwwwwwwwww

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 02:21:50 ID:NaIB4Avw0
ほしゅ。
後誰か頼んだ。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 02:22:10 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30683.jpg
里見君まゆげあったwwwwwwwwごめんサトミンwwwwwwwwwww

オンさん山ほど女泣かしてそうだな

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 03:06:44 ID:6dMkS05v0
ほ…

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 03:10:35 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30708.jpg
TVショッピングの声が小野坂で見入ってしまう件

>>王女
良かったら髪質とか下さい(・´∀・)

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 03:21:02 ID:6dMkS05v0
王女スペック
【氏名】エファ何とか
【年齢】15
【身長】小柄
【髪型】おかっぱ
【髪の色】薄ピンク
【性格】超強気
【瞳の色】赤
ごめ 全然考えてなかった



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 04:03:46 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30751.jpg
こんなんか!
うはwwwwwwどんなだwwwwwwwwww

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 04:06:28 ID:6dMkS05v0
>>129
うはwwwwwカワイイwwwww好みwwwwwww
でもよくわからんwwwwっうぇwwwwww
ぶっちゃけ何も考えて無かったwwwwwwwww
やっぱ♀キャラはイメージ沸かんwwwwっうぇwwwwwwwww
才能ナサスwwwwwwwww

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 04:51:25 ID:ornemvWI0
この時間になると流石にサムス

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 04:54:55 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30800.jpg
女性の接客は(めんどいので)エイナー君の担当です。
「勝手に決めないで下さい・・・」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 05:27:30 ID:jyrml/x60
>>132
っうぇwwwwヤオイれるwwwwwwwwww

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 05:29:58 ID:ornemvWI0
http://www.vipper.org/vip30824.jpg
いろいろ飛んでますよ!

今晩はこの辺で。風邪コワスwwwwwwwww
暫く保守しとく

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 05:32:21 ID:70i0umC90
寝る前にホス
もうディスプレイが見えない

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 06:18:30 ID:ornemvWI0
ホッシングクリスタル

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 06:21:10 ID:70i0umC90
おはようおまいら
>>132
うはwwwwwエイナーwwwwwwアリガツwwwwwwwwww

ttp://diary.jp.aol.com/gks4kcgf/img/1100604192.jpg
おかっぱはこんなイメージかも知れん
他人様のサイトから借用で悪いが

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 06:44:42 ID:WhT0vs1Y0
絵師さん多い〜世界が具現化したw

>>137
ワロタ



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 07:17:57 ID:ornemvWI0
>>137
うはwwwwwwwwこれはこれでテラムズスwwwwwwwwww

ホッシング

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 07:43:11 ID:Q39kWOrOO
ホシュ

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 08:05:03 ID:ornemvWI0
ラストホシ
後は頼む

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 08:37:20 ID:t7FV4qdhO
保守

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 08:37:22 ID:lupgYyl20
テラホス

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 08:38:03 ID:lupgYyl20
>>142
デラケコーン

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 09:25:58 ID:0/99ltJyO
保守

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 10:01:05 ID:jyrml/x60


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 10:33:11 ID:t7FV4qdhO


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 11:12:03 ID:XlxM+Y840


149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 11:40:42 ID:nCUwPgW1O
ヤバイ…
忙しくて最近 見れてNEEEEE!
何とかしてまとめだけでも少しずつ読んでいこう…

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 12:17:16 ID:XOIIde34O
梅雨は嫌だな保守

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 12:37:41 ID:Q8l4oGRmO
気象庁だめぽ保守

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 13:02:29 ID:MDZS35ExO
北海道は梅雨ないぜぃ。
ほし。

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 13:45:59 ID:UVhqROBW0
ほの板移行計画発動マダー?

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/06/15(水) 14:33:58 ID:jyrml/x60



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