その他。(現在は、「年表」と「マナ戦争(プロット)」のみ置いています。)

どこにも分類できなかったものをここに掲載していきます。







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その他

  • ファルネースの年表



  • アガレス暦 できごと 関連作品
    神話時代 紀元前10500 アトランテ大陸、ファルネースにやって来る。
    紀元前25 始祖ウチナーの母ヒーチャがファルネースにやって来る。 『海の贈り物』
    紀元前20 大魔王ファルネース、アトランテ大陸に生を受ける。
    紀元前2 大魔王ファルネースと17英雄の戦争が勃発。
    後に『マナ戦争』と呼ばれる。
    紀元前1 マナ戦争、終戦。
    17の神獣と17の英雄によって、大魔王ファルネースが討伐された。
    神獣は大魔王と相打ちし滅びる。英雄たちは神獣の最期の力を授かる。
    魔法時代 アガレス元年 神獣なき後、人による統治が必要となり、17の英雄が17の部族の始祖となり、それが後の17氏族となる。
    当時、17始祖の間でも信望の篤かった女性アガレスの名を戴き、暦の名とする。
    1034 剣豪ウォダがノヴァラ氏族の一員となり、後世に続くノヴァラの基礎剣術を編み出す。 『伝説の剣豪』
    1100 剣豪ウォダの孫レインがノヴァラ氏族に日本刀以外の戦闘術を編み出す。 『イセリーナの夜明け』
    1451 ミュンメイの族長ミシア、初めてトルトキス集落の外へ出る。 『ミシアの冒険』
    1453 ノルダニア大陸ヴェリの都に巨大な女神像『ヴェリの女神』が建築される。建築者は一人のヒュマンと多くのヴェルシア氏族。
    1454 里見兄弟がファルネースへやって来る。兄は表クオラへ、弟は裏クオラへ加入。 『黒き魔王』
    エイナー、ウォンらがミュンメイ氏族のミシアと出会う。ミシア、集落から世界一周の旅に出る。 『行商遁走曲』
    1455
    ミカエラ王国の研究者ロバートと助手であるエターナが研究のためにフィールドワークへ出る。護衛としてノヴァラ氏族の姉弟のティアラとシャインを雇う。
    ラグルド氏族のシャグナとコリンが試練の旅に出る。 『ラグルドの道』
    カウムース大陸北東のティアルガ集落が謎の爆発で壊滅。
    生き残りであるサラがノヴァラ氏族に引き取られる
    『小さな覚醒者』
    1457 ワン老人がファルネース、ジャンバッハへやって来る。
    『酒場の話』
    ミシア、世界一周の旅からトルトキス集落に戻る。
    1458 リコやクザン、ボブ、レオンらがファルネースへやって来る。
    『神秘の世界』
    1459 ケルトラウデ帝国の動向が怪しくなり始め、ヒーチャリアとの仲が険悪となる。
    遂には、近隣の地域を巻き込んだ紛争が起こり始める。
    そこに激しい海域に拒まれて外界へ出られず、今まで歴史の表舞台に登場しなかったアトランテ大陸の二国、アナトリアとカンディアが世界で初の空を飛ぶ乗り物マナシップによって参戦。
    世界を二分する戦争が始まった。
    『Passage Of StrayDog』
    『暗闇の意思』
    『許されざる者』
    1500 ケルトラウデ帝国の息のかかった魔術師クシュナによって、大魔王ファルネースが復活。
    しかし、リコや多くの仲間の手によって遂に討伐された。
    しかし、リコは命を落とす。混戦の最中、人々を勝利へと導き、その最期まで闘い抜いた少女リコを人々は『聖女リコ』と呼び、永久に伝説として語り継いだ。
    多くの運命が絡み合ったこの戦争のことを、『デスティニーギア』と呼ぶ。
    『ファルネースの聖女』
    機械時代 1501 機械技術の宝庫であるアトランテ大陸の二国が一国に統一される。
    これによって、機械の発展が進行し、ファルネース全土に数多くの発展をもたらした。
    以後を機械時代と呼び、その発展は末長く続く。
    1600 物理学の権威である神楽坂博士がファルネースにやって来る。
    聖女リコを模したオートドールを作成。
    これを真似した粗悪品が生産されるが、アガレス教により聖女を模したドールの生産は禁止される。以後はリコ以外のオートドールが生産されるようになる。
    オリジナルのオートドールRikoはアガレス博物館に寄贈、それ以外はすべて破棄となった。
    オートドールRikoはご神体としての意味合いが強くなり、人々の拠り所となった。
    暗黒時代 2500 デスティニーギア以後、ファルネース全土のマナが減少していることが、ミカエラ王国、ランダンの研究所の発表によって明らかになっていた。
    研究者たちは技術の粋を集めて、何とかマナの減少を食い止めようとしたが止まらなかった。
    魔法の威力が徐々に弱まり、同時に、機械のエネルギーとして使われていたマナ資源も枯渇し始める。
    そんな中、アトランテ博物館のオートドールRikoが突如として消えるという事件が起きる。
    人々は聖女にも見放されたとして、以後の時代を暗黒時代と呼んだ。
    ???? これ以後の時代の設定はない。マナが枯渇し、人々の心に余裕がなくなり始める不透明な時代。
    しかし、聖女リコや伝説の神獣を見たなどという噂話も蔓延することから、余裕は無くとも人々は信仰を頼りに生きていることが窺える。
    しかし、「マナはその最小単位であるマナ粒子がわずかに残っていれば、長い時間を経て結合し再びマナに戻る」とアトランテの研究者により発表されている。
    この説は確かで、世界各地を調査したところ、マナはまだ残っているという調査結果が出た。
    いつになるかわからないが、マナはまた復活する。
    マナがある限りはファルネースは続く。これ以後の物語もまだまだ続く余地がある。
  • マナ戦争(プロット)
  • ■名も無き海洋国家にて、ウチナーとチュラサ生まれる。

     アースより飛ばされたヒュマン・ヒーチャが、神獣クオリティの一族の青年アポロンと婚姻し、双子を生む。
     双子の妹はウチナーと名づけられたカオスであり、姉はチュラサと名づけられたハーフだった。
     双子はすくすく育ったが自然災害に見舞われ、双子の姉チュラサは海にさらわれてしまう。以後、ウチナーを正当なる後継者として、一族は育てていくことになる。



    ■閉ざされた大陸にて、ファー生まれる。

     海洋国家より北。激しい海流に閉ざされた大陸に、チュラサが流れ着く。科学者のヒュマンの家族に助けられ、以後ともに暮らすようになり、十年。一家の息子ロッゾと恋に落ち、チュラサは子をなす。
     ロッゾとチュラサは子に、世界と同じ名前をつけた。ファルネース、と。
     しかし、その名はあまりに大層すぎると、物心をついた本人が嫌がり、「ファー」という愛称で呼ばれるようになった。
     ファーは成長する中で、カオスであると判明するが、両親はたゆまぬ愛情を注ぎ続けた。そして、大きくなるにつれて、その特性が露になってくる。即ち、周りのマナと同化し続けるという、異端な能力である。
     このままでは、少年の存在が世界に霧散してしまうばかりか、最悪の可能性としては、少年の死とともに世界が滅びる可能性もある。実際、マナの濃度によって少年ファーの精神状態や体調は大きく左右され、両親につらく当たることも多かった。
     とにかく前例のないことであったが、これを何とかする為に父母は奮闘し、ファルネース一の研究者であった父ロッゾはひたすら調査に没頭したが、確固たる結果を得られなかった。母チュラサは自らの仕える神獣クオリティならば何とかしてくれるかもしれないと思い当たる。クオリティは始原の存在と言われており、十七神獣のなかでも、マナを無に還す力を秘めているからである。
     チュラサたちはクオリティに会うことを第一に考え、閉ざされた大陸を脱出する術を模索し始める。父ロッゾは研究所を船のように改造した。持てる科学の髄を結集させ、空を翔る船を作ろうとしたのだった。しかし、それが空を飛ぶことは理論上、不可能である構造ということはロッゾもよく知っていた。悩みぬいた両親に、いとも簡単に活路を開いたのは、年端もいかぬ少年ファーだった。
     ファーの強力なマナもあって、不安定ながらも、周囲のマナをコントロールし、飛空船は空を飛ぶことに成功。チュラサの故郷を目指し、飛び立った――。


    ■オスパーナと神獣ウォルカーン

     不安定な飛空は長くはもたず、方角も定まらなかった。海洋国家とは別の方向(すなわち西)に飛び、墜落。不時着した先は、ウォルカーンの一族の住まうオスパーナだった。
     そこで、ファーは、ウォルカーンの一族の少年ラグルドと出会い、友情を深めていく。最初こそ、ファーの一家は手厚く歓迎されたが、ファーのマナと同化する能力は徐々に周囲を蝕み始め、オスパーナに住まう人々より忌み嫌われ始める。
     そして、浄化の神ウォルカーンは特に、これを良しと考えなかった。
    「その能力は将来に必ずや禍根を残す。ファルネースの存亡すら危うい。ただちに浄化せよ」
     神獣ウォルカーンの命令によって、人々はファーを駆逐しようとし始める。
    「待ってください。私の部族の神クォリティならば、何とかしてくれます」
     そう提案したのは、母チュラサであった。そして待ってほしいと、みなに訴えた。
     ウォルカーンはしばしの猶予を与えることを約束し、チュラサが故郷に向かい帰って来るまでしばしの猶予を与えた。
     チュラサが帰ってくるまでの間、自宅である壊れた飛空船内に、父親ロッゾとファーは監禁された。


    ■チュラサ、故郷へ帰る。

     母チュラサはヒーチャリアに辿り着き、双子の妹ウチナーと再会する。
     妹は部族の長となっていた。妹と神獣クオリティはチュラサの説明を聞き、これを承諾した。
     クオリティは自分が不在の間、部族を守るようにと、ウチナーに自らの力の一部を分けた。そして、自身をサンシェンの中へと封じ込めた。こうすることで、力を蓄えるのだという。また、神獣のなかでもクオリティの力は強すぎて、場所によってはマナの濃度が急激に変えてしまう可能性もあるという。そのことを危惧して、自らをサンシェンの中に閉じ込めたのだった。
    「我を呼び出すときは、そのバチでもって弦を奏でよ」
     そういって、楽器を弾くための爪(バチ)を渡していった。
     チュラサは、海の守り手エンシェントタートルに乗ってオスパーナへ向かった。
     しかし、オスパーナに降り立とうとした際、盗賊に襲われる。なんとか身を挺してサンシェンを守るが、致命傷を負い、逃げ戻った先のエンシェントタートルの背で盗賊から受けた地図が致命傷になって死亡する。(結果、クオリティも外に出ることができなくなってしまい、そのままエンシェントタートルの背に残る。)


    ■ファー、魔王の道へ。

     チュラサが亡くなったことを知らないファーとロッゾは待ち続け、やがて、ウォルカーンの定める期限がやってきた。ウォルカーンはファーを浄化する(=消す)と述べ、これを阻止しようとした父ロッゾが村人ともみ合った際に、不幸にもケガを負い、死亡してしまう。
     このとき、ファーは憎しみ、怒りを爆発させる。
     親友のラグルドは彼を説得しようとするが、暴走したマナに襲われ、成し遂げられなかった。周囲のマナを同化させ続けるファー。状況は絶望的に思えたが、神獣ウォルカーンの働きにより、これを一時的に停止させることに成功。停止している間に、ファーの感情の荒ぶりも比較的ましになり、それに伴って、ファーの能力の暴走もおさまった。
     それからしばらく、マナを押さえ込むことに疲れたウォルカーンは眠りについてしまい、ファーを殺してしまうと、世界と同化していくという特異性があるが故にどうなるかわからなかった人々は、成すすべもないまま、ファーを放置することにした。

     それからしばしの歳月が過ぎた。
     ファーはひたすら奇妙な実験を繰り返していた。どんな嫌なことがあっても、この世界を嫌いになれなかったのだ。それは、父母がつけてくれた「ファルネース」という名前のせいだったのかもしれない。
     自分自身をうまく世界から切り離せば、あるいはこの騒動はおさまるかもしれないとそう考え、何とか自分の奇妙な力を封じ込める術を模索して、父のロッゾの研究を引き継いだのだった。
     様々な実験の産物で、魔物が生まれた。それらひとつひとつは何らかの成果を実らせていたが、肝心の研究の成果は出なかった。周囲の人々は、ファーが魔物を生み出す魔王に思えて、ただ危機感だけを募らせていった――。


    ■マナ戦争へのカウントダウン。

     そして歳月が流れ、ファーもラグルドも成人し、立派な大人になった。
     時同じくして、ウォルカーンが目覚め復活、十七の神獣に声をかけた。
     十七のうち、クオリティは不在であったが、他全ての同意を得て、ひとつの作戦を立案する。ファーをそのまま倒すことは、時間が経ち過ぎた今もはやできない。ならば、世界からマナのない空間に切り離してしまおうと。
     ファーの周囲を特殊な壁で覆い、世界から切り離し、小さな空間に閉じ込めた上で、そこに、すべてをマナを無にしてしまうクオリティを放り込むことで滅ぼす。しかし、壁がただの壁であれば、クオリティの力でそれすら消してしまう。この世界の始まりと同じ素材をもって、この封印は行われる必要がある。即ち、世界の礎たる神に等しい能力を持つもの。神獣たちである。
     クオリティを除く十六の神獣は世界を救うためにその身を投げ出す覚悟を決めた。しかし、それは内側からのみである。外から、それを安定させる力がいる。神獣たちは、自らの守る部族にそれぞれ一人ずつ、力を分け与えることに決めた。それらが、始祖と呼ばれる存在である。

     必要なのは十六の神獣と、それらの力を分け与えられた部族の有力者。
     そうして、神獣クォリティと、その力をすでに与えられているウチナー。
     これが全てである。

     そのため、すべての神獣が、自らの部族からひとりずつ選び、啓示を与えた。オスパーナに集え、と。また、神獣ウォルカーンは、始祖ウチナーに、クオリティの宿るサンシェンの在るエンシェントタートルの位置を教え、それを回収するよう命じた。
     十六の神獣は自らをマナと世界を隔離させる壁へと姿を変えるため、この戦争の後は消滅してしまう。そのため、多くを、自らの部族の者に説明しなかった。すべてを知っているのは神獣たちを除けば、ラグルドとウチナーだけであった。
     ラグルドもまた、神獣ウォルカーンから一つの使命を受けていた。ファーを、指定の場所にとどめておくという使命を。


    ■それぞれの始祖の旅立ち

    1.ノヴァラの旅立ち
     ノヴァラの妹、病床に伏す。それを救う為に神獣シュラに願いに、村の近くの山へ登る。
     シュラ山の入口には番人である聖獣クェンアがいるが、ノヴァラ到達時に、魔王ザクサスによって滅せられていた。ノヴァラはこれと闘い、何とか討ち取ることに成功する。
     そして、シュラ山に登り、神獣シュラと面する。シュラはノヴァラの妹を癒そうとしたが、すでに死してしまっていた。間に合わず悲しみに暮れるノヴァラに、シュラは世界を救う使命を託す。
     自らの力を分け、西の島オスパーナを目指すよう啓示。ノヴァラがそこに到着すれば、自身もマナに姿を変え、瞬時にそこに向かうと述べた。

     世界を蝕み始めるマナがあらわれた。
     これを断たないと、イセリーナの民さえ危ないと聞き、ノヴァラは生まれ故郷のマイスを後にするのだった。


    2.アガレスとケルトの旅立ち

     光の神獣アガレスの奇跡の力と名を継承した巫女、アガレス。
     アガレスはミディリア大陸東部で、幼馴染のケルトと共に旅に出た。
     ケルトは違う神族であったが、ケルトもまた、神獣ディウスに導かれ旅に出たひとりだった。
     アガレスとケルトが、バオウ大陸に渡るために港町に向かっていると、死に瀕している男を発見。アガレスは癒しの力で、男を救った。
     男は礼を述べ、名をノヴァラと名乗る。ノヴァラは、黒き竜と戦い、何とかこれを追い払うまでは達成したとのことだった。(後のエビルである。)
     こうして、三人は揃って、バオウ大陸へと渡っていく。

    3.ウチナー、ラグルド、ノヴァラ、アガレス、ケルトを除く12の始祖、旅立つ。


    ■マナ戦争の少し前

     始祖ウチナーは、エンシェントタートルの背中に到着。
     ミイラ化した姉チュラサの屍を発見し、悲しみに暮れる。姉は志半ばで倒れたのだ。さぞ無念だったことであろう。
     もっと早い段階であればクォリティの力でファーを救うこともできたかもしれなかった。本来、妹である自分が甘んじているこの地位は、姉の場所であるはずだった。姉はハーフであったからどちらにせよ追い出される運命であったから、自ら海へ身を投じたのだ、とウチナーは常々罪悪感をもっていた。(実際はそんなことはなかったのだが、そうとまで思いつめていた。)
     そんなウチナーに、姉の愛した息子を殺すことなんて、できなかった。そう考え、クオリティの眠るサンシェンには触れず、バチだけを持ち帰り、よく似たサンシェンを用意した。

     姉を海に返そうとしたけれど、今はこのままのほうがいいような気がした。
     大気のマナに触れていたら、彼女も息子と同じマナを感じられるだろうと思ったから。


    ■マナ戦争


     やがて、決戦の日がやってくる。
     ラグルドはファーを騙すために、研究所内へ向かった。
     そして、直前に気づいたファーは抵抗し、自身が作りだした魔物を全て外へ出し、応戦。十六の神獣と、十六の始祖らは、全力をもって戦った。
     やがて、神獣たちはその身を挺して、封印の壁へと変化した。ファーは閉じ込められる寸前に憎悪のまなざしでラグルドを睨みつけ――封印の中へと消えていった。残るは小さな入口のみである。
     最後、小さな入口を前にして、ラグルドの最後の呵責で、ウチナーにそっと耳打ちする。「やめてくれ」と。
     ウチナーは元よりそのつもりで、クオリティの入ったサンシェンなど、取りに行っていなかった。こうして、演技だけ行ない、封印の扉のみ、閉ざすことにした。ファーは生きたまま、神獣の封印の中へ閉じ込められた。
     ラグルドは、いつか何らかの解決方法を見つけようと。どうにかして、彼を助ける術を探そうと、そう考えたのだった。
     ウチナーとラグルドだけが真実を胸にしまって、マナ戦争は終結していった。
     闘いの後、ラグルドはお礼にと、「首飾り」をウチナーにゆずった。
     ウォルカーンからラグルドが譲り受けた部族統一の為の強制力を持つ、マナアイテムである。しかし、ウチナーはそれを、後でこっそり捨てた。すべて、忘れようと。そう考えたのだった。後にこれは「ラグルドの首飾り」と呼ばれるようになるが、どこに流れたか定かではない。

     こうして、歴史の表舞台より、ファーの存在は消え去った。
     ただ、ラグルドの直系のものだけに、このことだけは伝わっていった。

     * * * *

     時は流れ、十六神獣の封印が弱り始めていた。
     封印のなか、ファーは怒りだけを抱いて生き続けていた。
     始祖ラグルドは結局、生きているうちにファーを救う方法を見つけることができなかった。死す際に、部族の長に代々伝えることにしたが、1500年の間にその慣習は徐々に薄れていく――。
     結果、憎しみだけを抱いた、大魔王ファルネースが誕生した。
     だが、その封印は完全に解けておらず、オスパーナに彼は留まり続けていた。

     同じ頃、クオラという組織がマナによる世界破壊を目論み、ラグルドの始祖の子孫のコピーを生み出すことに成功してしまう。コリンである。コリンに宿る情報から、クオラの首領クシュナは、大魔王の復活も目論み始めるのだった……。
     なお、「デスティニーギア」の終焉で、始祖ラグルドの想いを継いだ青年シャグナと、ウチナーの母ヒーチャと同じ故郷よりやってきたリコの手によって、ファーは真の意味で救われることになる。
     ファーは、マナのない世界へと送られ、何も知らない赤子になった。アースで、ひとりの赤ん坊として生れ落ち……成長した彼はうっすらと頭に残るイメージを文字に書き起こし、ひとつのスレッドをインターネット上に立てる。

    「みんなで創作活動しようぜ〜ファルネース〜」と。


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