【五作品目】 まだカップルというには初々しい二人が、同じ食卓を囲んでいた。同じ職場ということもあり、会話も弾む。 やがて会話が途切れ、やや気まずい雰囲気を乗り越えようと、二人は、同僚が半ば強引に貸したゲームに手を 伸ばした。 テレビの電源をつける。ロールプレイング業界でも異色のその作品を、二人は固唾を飲んで見守った。 またひとつ。ふたりにとって、共通の思い出が増えた瞬間だった。 next story is... 『罪を背負いし者』