【八作品目】

 いつしか必要のなくなったものは、忘れ去られる。
 まして、それがパソコンなどであれば、新しい機器が出たりしたら乗り換えられる。

 社会人として成長した、元引きこもりの男性は、フリーズして立ち上がらなくなったパソコンを良い機会と見て処分した。
 修理すればまだ使えるような気もしたが、そのパソコンを使って引きこもりをしていた頃の自分との決別、という意味でも、破棄しようと考えたのだった。

 物を捨てて、新たな道を歩みだした者がいる。
 しかし、対称的に、物を拾って新たな道を歩み始めた者もいた。


 next story is... 『ふしぎなPC』

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