『許されざる者』――罪は、消えない。

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概要

 かつて、故郷アースにおいても、戦地でたくさんの生命を奪ってきた男、クザン。
 その身に染みついた硝煙の臭いはファルネースに来ても変わることはなかった。
 しかし、アガレスの聖女であるマーリヤと出会い、何かにつけて生命の尊さを説く彼女を見て、その心は少しずつ変わっていく。
 だが、そのマーリヤは、大きな闘争に巻き込まれ、今となっては悪の巣窟と化したアガレス城へと連れ去られる。クザンは仲間たちと共にマーリヤを救出に向かう予定だったが、事情があり一人遅れてアガレス領土内へと向かう。しかし、アガレス領内へと渡る橋が落ちていて、小さな宿場町に足止めされることとなってしまった。
 クザンはそこで、ひとりの少女と出会い、その中でささやかながらも、小さな“日常”を楽しんでいた。しかし、町を強盗団が襲って――?
 罪は、やはり許されないものなのだろうか。“Passage of StrayDog”書き下ろし作品!

背景

 魔法時代末期、ミディリア大陸。
 ケルトラウデ帝国と、その傀儡となった神聖アガレス帝国の巻き起こした、ミディリア戦役。後のデスティニーギアにつながる、この大きな戦乱の中には消えていった生命がたくさんあった。
 この後、クザンは聖都アガレスへと向かい、ミディリア戦役へと関わっていく。国の行く末、ファルネースの行く末など、クザンにはさほど興味はなかった。すべては、マーリヤを救うため。クザンは闘いの中へ身を投じる。

登場人物

■トーマス・クザン
 ……隻眼のヒュマン。アースでは某国の諜報組織に所属していた、戦闘のプロ。
■シャーリー
 ……盗賊団に身をやつしたヒュマンに故郷を滅ぼされた、ヴェルシア氏族の少女。親戚モルトに引き取られた。
■モルト・ポップ
 ……ミディリア大陸は聖アガレス領近くの宿場町で『森の木陰亭』を営んでいる。頑固そうな親父。
■クライド・コーウェン
 ……盗賊団のリーダーであるヒュマン。
■ケイロ・ハスコク
 ……宿場町に駐屯する、アガレス国境警備隊隊長。
■マーリヤ・ラケル・エルバヘイム・アガレス
 ……アガレス教の聖者。クザンに道を示した少女であるが、現在はさらわれている。

目次

第1話
第2話
第3話


(作者:泥だらけの虎)

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